特殊な加工が必要で、一般文書とはまったく仕様の異なるカード印刷は、昔はとても特別なものでした。したがって、大量発注でなければ受け付けてもらえないケースも多く、一般の中小企業には手の届きづらい存在であったとも言えます。しかし現代は「カード化社会」と言われるほど、日常のあらゆるシーンでカードが使われるようになってきました。カード印刷の需要が高まるにつれて、印刷の分野でも競争が激しくなった結果、今では特殊加工を含めてもそれなりの安価で、少部数からの注文でも受け付けてくれる業者がどんどん登場しています。
中でもカード印刷に特化した専門業者は、テンプレートやオプションの充実、小ロットからの受注対応、短納期など、カード印刷におけるあらゆる要望に応える存在として、飛躍的に業績を伸ばしている分野と言えるでしょう。例えば店舗における読み取り式のポイントカードやメンバーズカード、認証のための社員証カードなど、今やどんな場面でもカードが必要となっています。小さなプラスチック片に膨大な量の情報を記録し、スペースも取らないこの媒体は、今後とも様々な情報領域を吸収してゆくことでしょう。今ではデザイナーズ名刺として、こういったプラスチック素材を選択される方も増えてきました。
デザインも多様化し、スケルトンなどの風変わりな素材も選べるカード印刷は、店舗や企業のみならず、個人の個性を演出する手段としても活躍の場を広げる可能性は充分にあります。これからはそれらを統一した、複合的な要素を持つカードが主流になってゆくのかもしれませんね。